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Special Lecture 平田晃久
2009年11月3日 15:00〜 北方圏学術情報センターPORTO
![]() 11月3日、本州ではまだ紅葉がきれいな頃、北海道ではただでさえ寒いのに、冷たい雨がさらに体を冷たくする。昼だというのに厚く覆われた雲が太陽の光を遮り、薄暗いから、北翔大学ポルトのガラス張りのファサードから溢れる光があたりを優しく照らしている気がする。そとから見えるギャラリーでは、毎年、仙台メディアテークで行われている卒業設計日本一決定戦に出品された。 作品が展示されていて、建築学生がそれを食い入るように見ている。1日から6日まで作品が展示されているのに、今日は平田晃久氏がレクチャーで来るという事もあって、いつもより人が多い。 15時から平田氏のレクチャーが始まる。テーマは「からまりあうこと」。これだけ聞くとなんのことだがわからないと思うので、平田氏の言葉を借りながら自分の言葉で記していきたいと思う。 モダニズムの典型としてある、均質空間はつかみ所のないものでそれも含めて懐疑的であった。それならば、からまりあって形成されるひだみたいなものは表面積を大きく、からまりしろをつくれるんじゃないか。そもそも、街の断面、地形、、、、、いろんなものがからまりあっていて、その地形のひだにさらに人の住まうところがからまりあって都市は形成されていると考えた。そこに、なにかからまりあうことの秩序を感じたのだ。 この視点に立つと、からまりあうという有機的な生命の秩序と建築は同じものとして捉えられるのではないか。こうした感覚的なものを拠り所にして、建築やそこにおける空間について思考してみる。 建築を建てる場所であったり、その時に考えている事であったり、クライアントの要望であったり、日常から得られるアイデアであったり、そういった要素を汲み取りでてきた、へばりつける表面、屋根という自然、見通せないこと、ひだの原理、樹木なようなもの、からまりあう幾何学と言ったように一言で言い表したそこに建つべき言語化された建築のイメージを、有機的な生命の秩序とオーバーレイさせながら建築をつくっていくのである。またそれと同時に、それらの言語化されたイメージは、その手法を踏む事で、より可能で、魅力的なものになるのである。 このレクチャーとは別に平田氏は、今年度の仙台メディアテークで行われた卒業設計日本一決定戦で審査員を務めていたわけだが、そこで“社会性”という言葉に関して考えてもみなかった、新たな解釈を与えてくれた。多くの建築学生が考えている“社会性”は建てる建築のProgramなどに終始する事が多い。しかし、それだけが社会性というのではなく、その建物が新たな空間を提案している時点で、それは建築家にしかできない社会との関わり方であるので、それはもはや社会性を獲得している、と言及してくれた。 建築にできる事の可能性はまだ多くあるはずであり、その可能性を広げるために社会性や、地域性、汎用性などの言葉をツールとしているはずなのに、いつしかそれらの言葉の意味を狭義的にとらえはじめ、逆にその可能性を狭めてしまっていたことに気付かされた瞬間であった。 今回の平田氏のレクチャーを聴いて建築の範囲を規定していないことを強く感じさせられた。こういった姿勢が今後の建築の可能性を広げる重要な要素となるのではないだろうか。得るものが多い有意義なレクチャーであった。 (北海道大学3年 佐藤 公哉) 卒業設計日本一決定戦巡回展 2009 日時:2009年11月1日〜6日 主催:特定非営利活動法人 北海道デザインネットワーク 後援:社団法人日本建築家協会 北海道支部 特別協力:建築学生同盟 北海道組 レクチャー:平田晃久(平田晃久建築設計事務所) フロアトーク:平田晃久、櫻井一弥(東北大学助教)、石黒卓(北海道大学大学院)
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