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北海道組 Lecture Series 03 藤村龍至
2009年12月12日 13:00〜 内田洋行 ユビキタス協創広場 U-cara
![]() 12月12日、4回目となる北海道組のレクチャーシリーズが 内田洋行 ユビキタス協創広場U-cala で行われた。この日はいつものレクチャー会場とは異なり、雨も降っていたが、多くの人が足を運んでくださり、U-cala は立ち見が出るほど人でいっぱいになった。また、今回は前回までのレクチャーに比べ来場者の学生の割合が多く感じられた。これはおそらく藤村氏の設計プロセスや理論に興味を持っている学生が多いからであろう。 レクチャーは、超線形設計プロセス論の<原則>についてから始まった。原則は、1. ジャンプしない 2. 枝分かれしない 3. 後戻りしない の3点。この3点は普段、大学の設計課題で自分が取ってきた設計プロセスとは異なっていたので、とても興味深かった。藤村氏はこの超線形設計プロセス論を「BUILDING K」を例に私達学生にも分かりやすく説明してくださった。 「BUILDING K」では、まず施主と話し合って店舗と集合住宅からなる複合テナントビルにすることを決め、藤村氏が1階を店舗、その上を集合住宅とするプランを施主に提案して採用されたとのこと。この時、藤村氏は最初に何をどんな風に建てるのかというイメージはなかったとおっしゃったので驚いた。多くの人はまず敷地を見て「ここにはこんな建築をつくりたいなぁ」など、何となくではあるが最終形をイメージするのではないだろうか。超線形設計プロセスでは最終形をイメージしないのか。 またこの「BUILDING K」では、設計プランより先に設備計画が行われ、設備担当の方からの「シンプルな設備系統にしたい」との提案を基に藤村氏が設備を使ってルールを構築していったとのことに、さらに驚いてしまった。たいてい構造や設備計画は設計プランがおおよそ固まってきてから計画していくのではないだろうか。 (私は建築を学び始めてまだ1年程だが、いわゆる一般的な設計手法を何となく理解してきた矢先だったので、このレクチャーを聞いた直後は頭の中が混乱してしまった。) レクチャーを聴いていくと、「BUILDING K」の構造はメガストラクチャーという解法をとり、設備をシンプルにして、それに構造や意匠をまとわりつかせていったとのこと。この時、意匠については模型写真でプロセスの過程を視覚的に見ることができ、それはとても興味深いものだった。模型は、一つひとつプロセスの過程を見ていくと大きく変化することはなく、少しずつ徐々に変化していく。これは原則の 1. ジャンプしない によるものだろう。藤村氏のジャンプとは論理が断絶したり、飛躍してしまうことを指す。 このことから、超線形設計プロセスでは論理はぶれることなく一貫した連続性を保たなくてはいけないことが分かった。つまり、超線形設計プロセスでは最初に最終形のイメージをせず、プロセスを明らかにし、模型を作る度に線形的な手続き(反復)をし、ボリュームを洗い出していくのだ。このプロセスは、藤村氏が例えた魚の発生過程の様に明確で無駄のない一つの流れなのである。そして、この超線形設計プロセスを用いることで、場所性など固有性をより正確に読み込め、まるで淘汰を繰り返していくように複雑性をより確実に構築し、一つの形にたくさんの意味を持たせることが可能となる。また、原則の 3. 後戻りしない ことで、設計のスピードを上げることもできる。私は今回、藤村氏の理論を学び、設計は連続した理論の積み重ねであることを理解した。 今回のレクチャーは Architecture December 2009 実行委員会、HAUS project、建築学生同盟 北海道組との連動企画の一つとして開催された。前日(12/11)のHAUS project主催の「建築を話そう」に引き続き、当日(12/12)は藤村氏のレクチャー、藤村氏・五十嵐淳氏と建築学生とのディスカッション、ROUND ABOUT JOURNAL vol.10の公開収録と、私達学生にとってはとても刺激的な二日間となった。 <最後に・・・> 北海道組として7月からこのレクチャーシリーズを続けてきました。今までなかなか北海道にお呼びすることができなかった若手建築家を中心にレクチャーを開催してきました。レクチャーシリーズを通して、石上純也氏、藤本壮介氏、平田晃久氏のそれぞれ持っている建築への思いや、作品をつくる上での思考プロセスを学んできたからこそ、2009年度の最後のレクチャーで藤村龍至氏の理論を学ぶことができ、このレクチャーシリーズがそれぞれ単独のレクチャーではなく、一つひとつ繋がっていたのだと改めて実感しました。 (北海学園大学3年 高橋 里奈)
![]() 肌寒い12月の雨の日、たくさんの人たちが内田洋行・ユビキタス協創広場 U-calaに集まった。外は寒いのに、中は熱気で包まれていた。 今回は藤村龍至さんにレクチャーにいらして頂き、『グーグル的建築家像をめざして−「批判的工学主義」の可能性』について話していただいた。ゲストと近いところで話をうかがうことが出来て、とてもアットホームな雰囲気だ。レクチャーの途中途中には、藤村さんが携わってきたこれまでの設計がプロジェクターに映し出された。 まず、設計者が設計していくには、一つ一つの作業を発展させていきながら建物は出来上がっていく、と話していた。藤村さんの考える超線形プロセス論には、「ジャンプしない」、「枝分かれしない」、「後戻りしない」の3つの原則がある。この3原則がなければならず、それがあるから次のプロセスに繋がっていく、と述べていた。今までの自分の作品を振り返ってみると、3原則の逆の作業工程を経て作っていたため、時間もかかっていた。これから作品制作をする上で3原則を念頭に置き、それを実行していける ようにしたい。 また、超線形プロセスというのは方法で考え、「単純なものからボリュームをつける」、「ある条件を表にしていく」という作業がある、とも述べていた。最初から完成を求めて制作しても、自分の思うような作品は出来ないことを再認識した。 次に、「超線形プロセス論の効果」について話していた。その効果は、「固有性を正確に拾っていく」、「複雑性をより確実に作る」の2つ。超線形プロセスというものは「DO NOT THINK(考えない)」、「DO NOT IMAGINE(想像しない)」、「DO NOT LOOK BACK(振り返らない)」から成り立っており、最初に述べたように、建物を設計するには作業を正確に進めていくから最高のものが出来る、とも述べていた。 終わりの方では設計の歴史について多少触れており、そこから「工学主義」の説明をして、「批判的工学主義」について話していた。工学主義の定義は、「建築の形能はデーターベースに従って自動的に設計している」、「人々のふるまいは建築の形態によって即物的にコントロールされる」、「建築はデータベースと人々のふるまいの間に位置づけられる」で、工学主義を肯定するのではなく、否定する訳でもなく、新しい社会の原理として受け入れて再び構築し、建築の運動として提示する第3の立場として「批判 的工学主義」を挙げていた。 更に1990年(平成2年)以降の情報化を踏まえ、「グーグル的建築」について話しており、グーグル的建築とは、「アリゴリズムで建築を設計する」、「人間をアルゴリズミックに動かす」こと、と述べていた。 最後に、自分自身文章を書いているけれど、超線形設計プロセス論や批判的工学主義等の深い意味は分からない。けれど、まとめてみて今はすっきりとしている。これからの作品制作では、超線形設計プロセス論を踏まえた上で設計していきたい。 参考文献:思想地図vol.3 特集・アーキテクチャ(東浩紀・北田暁大/編 日本放送出版協会) (北翔大学2年 高橋潤)
![]() 北海道組 Lecture Seriese 03 藤村龍至 は、Archtecture December 2009 / ROUND ABOUT JOURNAL のイベントの一部として開催されました。藤村氏のレクチャー以外にも、建築学生が自作をもとに興味あるテーマについて発表する「建築を話そう」「建築をもっと話そう」や、藤村氏がモデレータとなって北海道の若手建築家5組が持論を展開する「若手建築家のアジェンダ」などが開かれました。 ![]() 12/12の全イベント後、会場にて。
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